レッツゴー宝塚‼︎

ジャニオタ歴5年目に宝塚の沼へドボンした大学生ヅカオタ。少ないバイト代でなんとか月1観劇。あなたも宝塚の世界へカモン!!

ルイの生きる原動力 〜謎の女と小さな炎〜 fff考察してみました。

この記事を読んでくれているそこのあなた!

おはようございます!こんにちは!こんばんは!

はしと申します!!

28回目の記事です。


お久しぶりでございます。


ありがたいことに雪組さんを東宝でも一度見ることができました。

A席の最前。
fffは2階席からも見たいなと思っていましたが、想像以上に最高でした‼︎

今回は雪組公演について、筆者なりの目線で考察してみようかなと思います!


※あくまで一個人の妄想だろうな程度に読んでいただけると幸いです!
※まだ観てないよ〜という方はがっつりネタバレあるのでご了承ください。


さあ、本題へレッツゴー‼︎

小さな炎の存在

まず、笙乃茅桜さん演じる小さな炎の存在について紐解いていきましょう。
小さな炎の登場シーンをまとめてみると以下のようになります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・第2場 プロローグ 〜fff〜
・第5場E 革命の記憶-ボンの丘-
・第5場G ハイリゲンシュタットの遺書
・第6場 野外コンサート
・第11場A ウィーン会議
・第12場 ブロイニング家の居間
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この場面で小さな炎自身が”小さな炎として”登場します。
ダンサーとして現れていますね。

fffには他にも明るい炎が登場するシーンがあります。

ルイの幼少期。奏乃はるとさん演じる父・ヨハンから厳しい指導を受けている場面。(第5場A)

ここで見ておきたいポイントは母。机の上に一本のろうそくが輝いています。
ルイは父の厳しい指導に泣きながら応え、場面は選帝侯宮殿での御前演奏会へと転換していきます。(第5場B)

ここ。場面転換の際に母は机とともにセリ下がります。
と同時に、ろうそくの火を消しながら下がっていくのです。また、ここで母を演じているのは、小さな炎と同じく笙乃さん。意味のある配役ですね。

では、その消えた炎は一体いつ戻ってくるのか——。

それはブロイニング家です。
お礼としてもらった勉強のための本の中に、それはあるのです。

しっかりおやりなさいよ。くらがりを照らすちっさな炎はこの中に…

このことはゆめ真音くん演じる執事の台詞から見てとれますね。


その後のルイの人生には必ずと言って良いほど小さな炎が存在しています。

が、それが消える瞬間があります。

裏切りや失望、孤独を経験したルイは故郷・ボンに帰るも、ロールへンの死を知らされます。
全て失ったルイ。それを最後まで支えようとするのが小さな炎。振り付けからもよく分かります。
ですが、小さな炎自身も最後は黒炎に消されてしまいます。

その後、小さな炎が小さな炎として登場することはありません。



一体、ルイにとって小さな炎とはどういった存在なのでしょうか。

時には、母。
時には、音楽への思い。
時には、生きることに前向きな気持ち。

小さな炎はルイの生きる原動力を象徴したものなのではないでしょうか。

ウィーンへ向かおうと決意するときや、音楽の力で世界を変えてみせると歌うとき、次々と新作を生んでいるとき、まだ俺は指揮をすることができると言っている時など…。

全てはルイが前を向いて生きようとしている時なのです。

小さな炎は生きようとするルイの心を燃やしてくれていたのでしょうか。

不幸は不幸なのか

誰だって、ただボーッと過ごしているだけでは心は燃えないですよね。ルイにも生きてやる、世界を変えてやると思えるほどのきっかけがあります。

それが、不幸。

父の厳しい指導。
ロールヘンとゲルハルトの婚約。
ジュリエッタへのプロポーズの失敗。
ナポレオンの裏切り。
ゲーテへの失望。

もちろんここに難聴も含まれるでしょう。


皮肉にも父の厳しい指導や御前演奏会の経験があったからこそ、「音楽という芸術を全ての人間のものにする」という考えが生まれたのではないでしょうか。
振られたり、難聴になったからこそ、仕事に集中したのでしょう。(これは台詞から分かりますね)
ナポレオンが皇帝になった際には、音楽で世界を変えてやるという気持ちが爆発します。
ゲーテに失望した後も、難聴がバレても、指揮を続けようとします。


なんとも心苦しいですが、不幸をきっかけに命を繋いできたように見えます。

謎の女の正体と存在意義

謎の女。一体、彼女は何者なのか。

少し不気味でそれでいて少しかわいい(きぃちゃんだからかな)不思議な存在です。


最後に彼女自身から告白されます。

この世の全ての苦しみ。悲しみ。不幸。

謎の女は人類の不幸であることが明かされます。


最初は喪服のような黒いドレス、次にピンクの可愛らしいドレスを着ている謎の女ですが、正体を明かす時の黒い服はボロボロ。スカートの裾を見ると、まるでちぎられたようになっていますし、靴下や靴も履いておらず裸足です。

人類全ての不幸を背負っているかのようなそのボロボロの姿は、ここまで見せてこなかった本来の姿なのかもしれませんね。


では、ルイにとっての謎の女とは一体どのような存在だったのでしょうか。
ここで小さな炎と同じように登場シーンをまとめてみます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・第2場 プロローグ 〜fff〜 (カゲソロ)
・第3場C アン・デア・ウィーン劇場-ロビー-
・第4場A 〃 -劇中劇-
・第4場B 〃 -ロビー-
・第5場C 不幸の記憶-ボンの路上-
・第5場F ナポレオンの戴冠式
・第7場,第9場 ルートヴィヒの下宿
・第11場A ウィーン会議
・第13場B 彼女の名前
・第14場 最後のシンフォニー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どうでしょうか。
人類の不幸であるように、ルイが不幸な時、あるいはこれから不幸になるであろうときに現れます。


全て失った時、ルイは疫病神だと思っていたその存在を求めます。
しかし、そこに現れるのはナポレオン。(夢の中だけどね)

何もかも失って夢の中でナポレオンに聞かれた最後の問い。


「生きることは不幸だ。不幸に敗北するか?それとも不幸に戦いを挑むか、それとも…」


ルイは敗北も、戦いも挑まず、不幸とともに生きることを決めた。


それが、運命の恋人だった。


ルイは不幸な人生を歩む運命だった。
ルイにとって不幸は運命だった。


不幸を原動力に生き続けた、曲を書き続けた。

そんな人生だったのでしょう。

全ての答えはポスターの中に

ここで鳥肌が立つのが小さな炎と謎の女の関係性です。

前述した小さな炎と謎の女の登場シーンを見比べてみると、2人は同じ場面には登場しません。
一切被っていないんです。(第2場の謎の女はカゲソロのみのため被っていないものとみなします。)

且つ、小さな炎はルイが前を向いている時の生きる原動力の象徴。
謎の女はルイが不幸(=生きる原動力)な時に現れる人類の不幸の擬人化。


つまり、小さな炎と謎の女は表裏一体であると考えられます。


ここでポスターを見てみましょう。
謎の女の手には炎が。

答えは最初から出ていたのですね。すごい。


ラスト、皆が白いお衣装を着ている場面。

この場面では謎の女は不幸という名のルイの運命の恋人として存在しています。
それでは表裏一体の相手、小さな炎はどう存在しているのか。

プログラムを見てみると「マリア 笙乃茅桜」とあります。ルイの母です。
もちろん、笙乃さんは母役もしているのでその通りの配役かもしれません。

ですが、不幸を運命として捉えることができるようになったルイにとって、小さな炎という象徴は必要なくなったというメッセージも込められているのではないかと思います。

希望コンビ率いる雪組が作り上げる歓喜の歌

fffは一度見ただけではその世界観や歌声に圧倒されてすぐに解釈をすることは難しい作品かもしれません。(台詞を聞き漏らしてしまったらついていけるのかな感は否めない。)


ともに歩んできた望海さんと真彩さん。
2人の間でしかわからない思いや感情があったはず。

そんな2人が一緒になって最後に作り出す雪組のシンフォニー

最高じゃないですか。



自分の解釈を言語化するのは難しいですね。


生きることは苦。生きている以上、それから逃れることはできない。
だが、それはあなただけじゃない。生きとし生けるもの全てがそうだ。
さあ、あなたはあなたの不幸をどう生きる?


上田先生はそのようなメッセージをこの作品で表現したかったのではないか、そう思います。




最後まで読んでいただき、ありがとうございました🙇‍♂️







次回‼︎
シルクロードについて考察してます。
すぐに更新します〜^_^




#愛してるよ宝塚歌劇団




はし。
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